-Match Report-

 
UEFA CHAMPIONS LEAGUE 12-13 Final
試合前展望
聖地ウェンブリー。
史上初のドイツ勢の決勝対決。
スペインのバレンシアーレアル、イタリアのミランーユーベ、
イングランドのマンUーチェルシーに続く4カ国目だ。
こっちの試聴スタンスも、出張先ということで、
どうなることかと思っていたが、飲み会終了後にとっととホテルへ帰り
仮眠をとったおかげで好調だ。問題は寝る時間が飛行機の中くらいで
空港から家までの運転で眠くならないか、くらい。


スターティングメンバー
ボルシア・ドルトムント バイエルン・ミュンヘン
 (監督)
ユルゲン・クロップ

(フォーメーション)
4-2-3-1
(主審)
ニコラ・リッツォーリ
イタリア
(監督)
ユップ・ハインケス

(フォーメーション)
4-2-3-1
(メンバー)
(C)バイデンフェラー
スポディッチ
ベンダー
ギュンドアン
レバンドフスキ
ロイス
フンメルス
ブワシェチコフキ
グロスクロイツ
ピシェチェク
シュメルツァー
(メンバー)
ノイアー
ダンテ
リベリー
ハビ・マルティネス
マンジュキッチ
ロッベン
ボアテング
ラーム(C)
ミュラー
アラバ
シュバインシュタイガー
(サブメンバー)
ランゲラク
ケール
ライトナー
サヒン
キルヒ
シーバー
サンターナ

(サブメンバー)
シュタルケ
ファン・ブイテン
シャキリ
ピサーロ
ルイス・グスタポ
マリオ・ゴメス
ティモシュチュク




 
2010-2011 UEFA Champions league Final    
   開催日: 2013年5月25日 会場:ウェンブリー(イングランド・ロンドン)
B・ドルトムント
(ドイツ・ブンデスリーガ)   
1   0-0 2   B・ミュンヘン
(ドイツ・ブンデスリーガ)     
1-2
    




PK(ゴール)ギュンドアン

(警告)グロスクロイツ

INシーバー(交代)ブワシュチコフスキOUT


INサヒン(交代)ベンダーOUT



時間
29分

前半終了
60分
68分
73分
73分
89分
90分
90分
90分
90分
90分
90分
後半終了


ダンテ(警告)


(ゴール)マンジュキッチ

リベリー(警告)

(ゴール)ロッベン

IN V・ブイテン(交代)ミュラーOUT
IN ルイス・グスタポ(交代)リベリーOUT

INゴメス(交代)マンジュキッチOUT



キックオフ
前半開始

さて、試合の方は美しく2色に割れるスタンド。
ゲッツェは出ないようだが、その方がお互いのためにも良いだろう。
バイエルンは一見、攻勢に見えるが、ファイナルサードがまったく攻略できず、
逆にショートカウンターのドルトムントにヒヤヒヤさせられる。

古豪の両チームだが、前回の優勝からは年月が経っているため
優勝経験のある選手は皆無。試合の方も、そんな緊張感が伝わる慎重な戦い方に見える。

お互いの守護神の好調もあるのだろうが、
どうしても吹っ切れた攻撃が見えず、惜しい場面が何度かあるもののゴールの予感がしない展開だ。

レバンドフスキも出だしは好調だったが、バイエルンが修正してきて苦しくなった。

膠着といっていいのかわからないが、前半が終了。


前半終了 0-0


後半開始
後半に入っても、微調整をしたのみで展開は変わらず。

時間とともにバイエルンが押し込む時間が増えてきた。
ハインケスにすれば、状態が良くなくても、
このままいけば、いつかはゴールが割れると踏んだのだろうか。

後半16分、まさしくその読み通りの展開が訪れる。
左右のウイングにパスが回るようになったバイエルン。
ロッベンに良いボールが通る。
危険な位置への侵入に、止むなく詰めるドルトムントGKバイデンフェラー。
一瞬早く、中央のマンジュキッチへパスが通り、ボールはゴールへ。
ついに苦しかった1点をもぎとった。

カウンターを主体にしていたドルトムントが攻勢を強めるには、中々難しい状況ではある。
バイエルンも守勢に回るには難しい状況ではある。バランスが狂い始めた。

ピシュチェクがエリア内で倒され、一瞬、騒然となるが、おとがめなし。
これが印象に残っている直後に、ダンテの足がロイスの腹に入ってしまった。
エリア内だったが、さきほどのおかげで、何のためらいもなくPKが告げられる。

PKストッパーのノイアーだったが、ギュンドアンのキックは完璧に裏を付いた。
これで同点。残り20分で振り出しに戻ってしまった。

狂ったバランスは、完全に戻ることはなく、今度はゴールの予感がし始める。
バイエルンもカウンターがハマり、ミュラーがゴールギリギリのシュートを流し込む。
1点ものかと思われたボールだが滑り込んだスポディッチが掻きだす。
スーパープレーだ。

今度はドルトムントがやや遠いラインからレバンドフスキのシュート。
美しく弧をかいてゴールに吸い込まれたように見えるが、
これはシュートと同時に笛が鳴っていてハンドがあったとの判定。

試合がヒートアップすると同時にリベリーもエキサイト。一悶着あった。

残り時間も少なくなって、延長を意識し始めた86分。
ロングボールにリベリーが珍しくゴール前でポストの起点になって粘った所、
投げやり気味に流れたボールに飛び込んだのはガラスのエース、ロッベン。

滑り込むフンメルスを漫画のようにジャンプで交わし、
バイデンフェラーのタイミングをずらしてゴールへ。

揺れるスタジアム。

交代で時間を使い、出戻りシャヒンが入るが、ロスタイムに突入。
バイエルンは時間を使い、ゴメスとマンジュキッチを交代。
これで試合は終了。

勝ったにも関わらず、グラウンドに頭をすりつけるロッベン。
W杯、CLでいつも準優勝だったロッベン。
試合前は、バイエルン優勢、でも一発勝負ならドルトムントにも勝機あり
と、予想された試合は、ベストな形でその通りになった。

若きドルトムントの最年長バイデンフェラーが皆を先導し、
屈辱の準優勝ロードへ。

良い試合だった。
これからも才能感じさせるチームだった。
ドルトムントのサポーターも拍手で讃える。讃えられるべき敗者である。

そして、昨年の敗北を、今も夢に見るというバイエルンの面々は
トラウマを払拭する唯一の方法で、それを克服した。
バルサを圧倒した2試合は、あまりにも衝撃的だった。
ドイツでは派手でも、世界的にはバイエルンはいまいち地味。
そのイメージから逸脱できれば、バイエルンは世界最強を維持できるかもしれない。