正確に言えば、まだ明けていないので1日目である。
23:00。
丘の上で一人アコギを抱えながら歌い続けるのは曽我部恵一。

すげえポジティブなパワー。
圧倒的な生きる力だ。
街頭で歌うミュージシャンの完成型と言ってもいいだろう。
真夜中のピクニック感覚で、みんなで手を叩いてハッピーな感じになった。
気温は結構下がってきたのだが、冬用のジャケットに着替えたので、特に寒さは感じない。
夏の装いのままだったらヤバかっただろうが、予習しておいて良かった。
むしろ夜の風は心地よく、ウィスキーが飲みたくなる。なんか大人の休日だ。
フジの森は、くさい森なのだが、ここはくさくない。それもちょっとリゾートっぽい感じを増長させる。
曽我バン(今回はバンドじゃないけど)が終わって、下では卓球が回しているはず。
にも関わらず、丘の上は一向に人が減る気配はない。
意外や意外。
今回のTaicoの人気No1はmumだったようだ。
シガーロスやビョークを発掘した音楽大国アイスランド。
クラシックや、民族音楽の融合が生む、多様な形態の音楽は、夜中に聞いたら
トリップしてしまうかも知れない。
人ごみは増え、寒さは全く気にならなくなった時間に、mum登場。

チェロやらバイオリンやら、ギター、ベース、エレクトーン、鉄琴。
やっぱり幻想的。
Voは妖精のような二人。とにかく跳ね回る。「カワイイ」の大歓声。
演奏の方は・・・・・・。
人が集まるわけだ。
ここがどこで、今が何時で、自分が何者なのか、全てが分からなくなるような世界。
フェスという祝祭感を前面に出しつつ、あくまでもゆっくりと音が奏でられる。
一曲終わるたびの拍手は、素晴らしい演奏と、この空間への賛辞。
この時が、この瞬間が、フェスの喜び。
都会で溜まったストレスや、天災で起こった様々な不幸を癒してくれる。
永遠のような、一瞬のような時が過ぎて、時間は1:00。
まだ、眠いってことはない。
売店でカクテルとつまみを買って
SIMIAN MOBILE DISCO。
丘の上でもエレクトリックパーティだ。
体を揺らして、自然に身を委ねる。
何にも考えずに、ボケーっと。
でかいビートのくせに、やや眠気を誘ってきた。いや、酒のせいだろうか。
周りでも、「寝るから下戻るわ」「後で合流しよう」「とりあえず眠い」などなど
眠い連中が現れ始めた。
うーーん。俺も寝ようかなあ・・・。
そんなワケで、丘を下る。夜露が落ちる森の夜中は、足元に気をつけないと、違う眠りについてしまう。
おそる、おそる、ランタンで足元を確認しながら、テントを張ったエリアに戻る。
帰り道で、色んなテントエリアを確認したが、なんだか我々が選んだフェンスの地区は「都営住宅」っぽい。
割り当てられた団地的な雰囲気が漂う区域だ。
もっとハイソな芝生の高原エリアにテントを張れば良かった。
劣等感に苛まれながら、狭いながらも楽しい我が家に到着。

どこにいても特設ステージのバカでかいビートは聴こえるのだが、
不思議と寝れるのが人間の凄いところ。
シュラフってすごく寝やすい。
まさに一瞬で眠りについて、朝を迎えた。
6:00。
こんなに早く起きたのは、mumが今度はDJで2ステージ目をやるから。
もう一つ付け加えるなら「フェスの朝の感じ」を体感したかったから。
テントを開けると期待通りの「朝もや」が迎えてくれた。

丘を登ると、6:00とは思えないほどの人の入り。
果たして、何人があのまま夜を明かしたのだろう。

相変わらず、自由な感じだが、ふり幅は安定していて、朝を迎えるのに最適な雰囲気。
いいなあ。

朝だからかどうかは分かんないけど、犬がいた。
このフェス、実は犬の参加率が高い(笑)
5〜6組は犬連れを見た。

後半はテンション高めで締めたmum。今回の顔でした。
7:00にも関わらず、結構日差しが強い。山って感じだなあ。
腹が減ったので、さわやかにいこうと思ったが「酢」を摂取しないと怒られる体なので
スーラーメンを購入。

写真と色が全然違う。
赤いぞ、オイ。
朝からサラッといける色じゃねえぞ。
一口いってみると「うまっ!」
これは美味い。なんか分からんが、色以外はヒットだったようだ。

続いては、トロ イ モア。
知らなかったけど、けっこう評価の高いグループみたい。
LIVEでは、けっこうしっかりしたバンド演奏だったけど、本当は違うらしい。
演奏終了後は、ステージを降りて観客と触れ合っていた。
ナイスガイだ。
で、タイムテーブルを見ても分かるとおり、後は5時間、同じ人が回します。

こんな感じ。
こうなっちゃうと「今年も終わり」だよなあ。
ただ、時間は早いし、もう少しこの雰囲気を味わっていたいと思う人たちも多い様子。

そうだろうねえ。
下のステージでソフトクリームを食いながら、もう少し楽しむ。

と、そこへさっきのトロ イ モア。

ブラブラと会場内を見て歩いてるようだ。声を掛けた女性と写真撮ったり、
やっぱコイツらナイスガイだ。

結構、帰りたくない組は多く、思い思いにステージにやってきたり、周りで遊んでたり。
俺もせっかくなので、会場内をブラブラ歩いて、田舎な感じを満喫する。


都会に帰りたくねえなあ。
そうは言っても帰らないわけにはいかないので、テントに戻って、撤収作業。

一瞬で解体されるテント。
打ち込みも甘く、本当に狼が息を吹きかけたら間違いなく飛ばされていたワラの家だ。
帰りは、しっかりと荷物をキャリーに結びつける。
見よう見まねでやってみたが、理に適っているようだ。
完璧な固定感。
賢く生まれたおかげで、一回でアウトドアの極意を吸収した。

ながい道を戻る。
これで2011最初のフェスは終わったが、フェスシーズンは始まった。
7月にはフジ。8月にはサマソニが待っている。
っ〜〜〜!楽しくなってきたぞぉ〜!!
っと気合を入れていたら・・・・・・・・・・・・
帰りに覆面にやられました・・・。
罰金35,000円。累積で免停ももらいそうです・・・。
ストレスの発散のしすぎには気をつけましょう・・・。
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