3日目。
今日も後半がアツいフジロック。
朝はルーズに出発準備。
窓の外を見ると・・・おお・・・雨だ。
三日間ずっと雨って、相当久しぶりなんじゃないか。
まあ、土砂降りって時間はなく、小雨がずっと続いてるって状況だけど。
結局、三日間ノースフェイスの上下で過ごすことになった。
準備をして玄関に行くと、靴が洗ってある。
よしよし、でかしたぞオーナー。
・・・今日はオーナーが玄関にいた。
オーナー「今日も雨はそんなに強くないよ」
俺「ああ、ホントですか。それは助かるなあ」
オーナー「さっき湯沢駅行ったらザーって降ってたけどね」
オイ!
もはや突っ込むのはムダだ。行こう。
会場に向かおうとした我々に、オーナーがトドメの一言。
オーナー「僕、ツイッターやってるんだよ。ほら。」
唐突すぎる話の展開に驚く間もなく、渡された名刺には、たしかにアカウントが。
オーナー「予約はつぶやきでも受け付けるよ」
えええ?呟きで予約できんの!?
オーナー「アイコンは松田優作っぽいでしょ?」
・・・・・・・・。
余談ですが、オーナーは○ゲてます。
最終日の会場に着きました。

降ってると言えば、降ってるし降っていないと言えば、降っていない天気の中
会場に着いて三日目の陣を張る。
少しボーっとして、リンゴデススターを見に行く。
すげえ名前だけど、いいのかな。
お、出てきた・・・うーむいきなりアレックス嬢が客席を撮りながら入ってきたけど…。
エリオット君はメッセージ性の強いTシャツ着てるなあ(DRUGS SUCK!)

シューゲイザーの触れ込みで聞いていたんだけどどっちかというとローファイのグランジも入ってるぽい。
ソニックユースのLIVEを見てるようだ。
勿論、これは褒め言葉なので、好意的に受け取ってもらえればと思う。
紙を見ながら「アナタタチハ、ワタシヲエガオニサセル」というなんかこっぱずかしい台詞も飛び出し、
ラストはオーディエンスをバックにアレックス嬢が記念撮影。
やりたい放題な感じで去って行った。
お次はアヴァロンに行って、タップダンスとギターの弾き語りのバンドを見る。
即興で曲を作るってシーンがあったんだけどお題を募った際に、
アヴァロンということで「反原発」みたいなテーマになった時
「ちなみに、僕は急に反原発って風潮に乗るのはどうかな?と思うんだけどね」て、変なフォローしてた。

自分の意見を持つのは良いことですよ。
グラスヴェガスが気になっていたものの、グリーンは遠いので、へヴンに流れることに。
すると・・・ あ!! ながーーい笛だ!!

ながーーーい笛枠の人達だ。
(注:フジのへヴンには、毎年、長い笛を用いたバンドが出るという独自解釈による)
GOMA〜である。
すげえ人が集まってるのだが、ラスト前のMCで判明。
Voが交通事故に遭い、脳を損傷して、復帰どころか生命の危機に陥っていたという事実。
泣ける話だ。というか、会場内、泣いているファン多数。本人に至っては号泣。
ちょっと胸が熱くなった今年の長い笛なのでした。
ヘブンでまったりして、ツレが「おすすめ」というウォーペイントを見る為にレッドマーキーまで戻る。

空は晴れ間が見えてきた。が、油断は大敵。
連日、ずっと降っているわけでもないし強い雨がくるわけでもないこの天気。
回復したとしても、数時間だけだろう。

マーキーでは、ちょうど始まった時間に到着。
ガールズバンドなんだな。なんか、曲の繋がりとかすげえ自由。ポップさは無く、へヴィです。
評判通り、中々面白いステージだった。
時間は14:30。
とりあえず、オアシスエリアでプリンスホテル仕込みのカレーを食う。

なんか甘口のチキンカレー。ホテルメイドは万人受け狙いのお子様の味だな。
フランクもつけてみたけど、こっちもお子様の味だった。
メシを食っても15:00。
特に気になるものもないなあ。
19:30からはYMO―ケミブラ―MUSICと0:30までの2011フジロック最後の5時間グリーンリレーが待っている。
ここまでに体力を使うわけにはいかんのである。
そんな固い決意で向かうのは、オアシスエリア内のラジオブース。
今年もクリスペプラーがいるね。

なんか、インターFMとJ-WAVEが隣で生放送してるけど音とか絶対にはいっちゃうでしょ。
そういう雰囲気が良いのか。わからんけど。
ペプラーは、普通にブースから出てきて、俺たちの中に混じってインターFMのアポロ18の生LIVEを聞き始めた。
ツレは、この後のマーキーを見るらしい。
オレは、適当にブラブラするんで、YMOで合流しようということに。
こうして、まずはグリーンのフィーダーをチラ見。全く、テンションが上がらない。

出会いを求めて、今日もステージ間をぶらり旅。
ヘブンでは「砂漠の若者達」が演奏中。
うわあ、ホントにそのまんまだ。

白装束、ターバン巻いてる。
砂漠から日本に来て、テンション上がってプリクラとったらしい。心あたたまるエピソードです。
体力を温存するって言ってんのに、最奥のパリスエリアまで来てしまった。

JAZZだ。ようやく、生のJAZZに出会えた。
やっぱJAZZはいいなあ・・・と思ってたらショーガール登場。
うーむ15Rなステージになってきた。
目が離せない所に、後ろになんだかボンボリが・・・むお!?
ハートの着ぐるみ軍団も見てるぢゃねえか。お前ら、ステージとか見んのかよ。
ステージを後にして、不死鳥を見る。

色々思うことはあるが、日本はこれからだぞ。
帰りがけにオレンジコートで再びおときさんをチラ見。
すげえ人あつめてんなあ。
3.11の時の話とか、日本人ならではのMC。不死鳥を見た後だけに、ちょっと熱くなった。

グリーンに戻るとモグワイが轟音を奏でていた。

誰もが聞き入るグリーンステージ。
これを一番でかいステージで流すフジロックのセンスはすごい。
モグワイをバックミュージックに最後の食事。

フィッシュ&チップス。
今年はUK勢が多かったからね。
トイレにも行く。
もう5時間はトイレにいけないのである。
2011フジロック、最後の5時間が始まる。

日が落ちて、モッシュピットの中は、早々に入場規制になった。
日本の歴史上、世界で最も有名なバンドがやってくる。
5分くらい押して、細野さん、高橋、教授と入場。

おお〜という声が多い。この3人が揃って出てくるのは、やっぱ感慨深いよな。
ビジュアルは、やっぱ高橋が一番シブい。
他の二人はちょっと年齢を感じさせる。
全くのMC無しでスタート。
ジワジワと始まり、淡々と演奏。
なんか映像がすげえ。リアルタイムでどうやって、本人達の映像にCGを被せているんだろう。
映像と音楽の融合はYMOにとっても非常に重要な要素。

でも、一番期待していたライディーンはリメイク版の木琴風バージョン。
これこそ、大音量でのコンピュータ音を期待していたのに。
期待を裏切ることがYMOの生き様だと言わんばかりのステージ。
正直な話、もうちょっとドカンドカンした展開を期待してたんだけどなあ。
こうしてYMOが終了し、モッシュピットの入れ替え。
でも、出る人がほとんどいない。そうかケミブラと客層は一緒か。
当然ながら、早々に入場規制。
なんつーか、期待値がすごい。
LIVEには「ハズさないバンド」というのが存在する。
それは、ジョンバトだったり、ADFだったりするわけだけど、ケミブラの場合はちょっと特別で
「フジでは特に絶対ハズさない」バンドなのである。
12回のフジロックの歴史の中で、6回目の登場のケミカルブラザーズ。
その全てがグリーンステージ。そして、ほとんどがトリ(ブランキーのラストとブラーのみトリ前)。
フジロックとケミブラは相思相愛なのである。
若干、YMOが消化不良に終わったこともあり、体力的には十分。
グリーンステージのトリが始まった。

上部のLEDのわっかが下に降りてくる。
まるでUFOからライトが照らされるようだ。
この時点で、耳をつんざく大歓声。場内は大興奮だ。
アナザーワールドが流れ始めるが、とにかく歓声がハンパない。
アイドルや芸能人に対する黄色い歓声というよりも、自分自身の中にある興奮が抑えられず、発狂しているという声。
これぞケミカル兄さんのパワー。
テーブルプレイの特質上、ある意味、反則とも言える自由自在の盛り上がり。
ヤバイ。これ、頭おかしくなるって。
早い段階でHey Boy Hey Girlが流れ出し
SWOONは予想通りのハイテンション。
最新作からは数多く流れるが、ほとんどベスト選曲状態のセットリスト。

YMOの映像も凄かったが、ケミカルの映像と音の融合は、現時点で世界最高峰。
一度は見ていただきたいSaturateのハンパない映像美。このPVマジでかっこいい。
ステージ上の背面をほぼ全てカバーした大画面のPVと重ね合わせるようにバルーンが放たれ、
映像上とリンクするタイミングでバルーンが破裂。このタイミングで割ったヤツ。天才です。
(参考までに↓ これにバルーンがバンバン飛んでる光景)
「こうやってフェスを盛り上げるんだ」と言わんばかりのステージに、会場は終始、興奮のるつぼ。
グリーンステージはダンスフロアと化し、完璧なステージはあっという間に幕を閉じた。
最後に画面に映し出された日の丸。
ケミカルと日本、そしてフジロックの親密な関係性を表している。

ケミカルが終わって、終電の時間を気にしなければいけないはずのグリーンステージなのに
人が一向に減らない。
こんなクロージングの状況は初めて見る。
普通は、グリーンステージの後方を、帰宅の列がゾロゾロと歩く中、
騒ぎ足りない連中が、踊りまくるのがフジのクロージング。
今日は、誰もが、固唾をのんで、ステージを見つめている。
ケミカルの片づけが意外と押して、ミュージックのバンドの音響チェックがギリギリのペース。
照明が落ちて、画面には「Special Guest」の文字。
彼らのグルーブが流れ出す。
ケミカルに負けない量の大歓声。
フードをすっぽり被ったロブが、それを取り終わる前にThe Donceが流れ出し、誰もが手を空に向けて上げ始める。
正真正銘のラストダンスが始まった。
これから始まる全ての曲が最後の演奏である。
それを知ってか、知らずか、オーディエンスの飛び跳ねる高さが尋常じゃない。
これは、AXを上回る盛り上がり。フジロックという特別な環境が、そうさせているのだろう。
フジロックを世界最高のフェスティバルと公言してはばからないTHE MUSIC。
この会場では、いつだって最高のステージを見せてくれた。
ロブが、小さな声で「マジヤバイ」と呟くと、会場からは一斉に「マジヤバイ」コール。
そして、ヘヴィなナンバーが流れて、誰もが一斉に飛び跳ねる。
MUSICが終わる悲しさを吹き飛ばすかの如く、グルービーでアッパーなナンバーがバンバン叩き込まれる。
Gatewayのサビの時には、赤色灯を持ったノリノリの奴らと外人が、手を繋いでモッシュピット内に円を作り始める。
みんなを追いやって、まるで拳闘のリングを作るかのように広げられたステージは、タイミングを待っている。
ロブの声が、叩き込まれた瞬間に、俺の手にあったペットボトルは宙を舞い、円の中心へ向けて突進。
誰もが一斉に、中心めがけて飛び込んで、モッシュ大会がスタート。
普通はメンズ限定のぶつかり合いに、笑顔の女子多数。
もー関係ない。頭の中は真っ白だ。
その辺りにいる奴らで、円陣が組まれ、皆で音に合わせて飛び跳ねる。日韓W杯の時の勝利の瞬間の如し、これぞフジロック。
奇しくも、あの年がMUSICのLIVEとの出会いでもあったなあ。
そのテンションのまま、THE PEOPLEのイントロが鳴る。マジヤバイ!
さっきのモッシュ大会は、さらにスケールを増し、これ以上ないくらいの盛り上がりを見せる。
みんな、MUSICが本当に大好きだ。
ヘロヘロになった状態で下がるMUSICを見つめる。
お前らやっぱり最高だ。
当然、あると思っていたアンコールを待っていると、まさかの照明があがり、大将が登場。
あんだけでかい「ええ〜〜!?」は聞いたことがない。
大将が出てこようが、照明が上がろうが、おかまいなしにMUSICを呼ぶグリーンステージ。
マイクを持ったまま、大将は苦笑い。
そして「みんな、THE MUSICは、このフジロックのグリーンステージで散りたいと言っている。だから、アンコールはありません。」
後から公式で読んだ話だと、袖に下がったメンバーは、この時、号泣していてまともに立てなかったらしい。
最後にグリーンに残ったみんなで記念撮影。
あとでどっかにUPされるかな。
そしてPower to the people。
全員で歌いながら、今年のフジロックにありがとう。

2011年。色々な感情が渦巻いた、今年のフジロックは、最後の最後まで大暴れで幕を閉じた。
2012年。また、絶対にここで会おう。

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