EURO 2008
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Final
ドイツVSスペイン


◆展望◆

大国同士の組み合わせ。
歴史上、実力的には今一歩の時も、常にタイトルを取ってきたドイツ。逆に、どれだけ強くても優勝と縁が無かったスペイン。
今大会のタレント力、これまでの試合内容から言ってもスペインがドイツを上回っているのは間違いない。
しかし、フットボールを知り尽くすヨーロッパの人々は両国の歴史とメンタリティを考え、「どちらが勝つか判らない」と答えるだろう。
EURO96の優勝時にはイングランドのリネカーが、「フットボールは1つのボールと11人で戦う競技。でも、最後に勝つのは、いつもドイツと決まってるんだ」
と、ドイツの勝負強さを皮肉った。

個人的にドイツの優勝を予想した身であり、マラドーナを倒した時代からドイツファンを自認しているのだが、今大会はスペインが勝つかも知れない。
逆に言えば、スペインが殻を破れる、唯一最大のチャンスである。今回、優勝できないようなら、また暗黒の「優勝候補どまり」に戻ってしまうことだろう。
もしも優勝を飾ることが出来れば98年のフランスのように、黄金時代を築くことが出来ると思う。
もともと、地力のある国なのは世界中が認めるところ。勝者のメンタリティさえ身に着ければ怖いものはない。


◆試合直前情報◆

スペイン側はビジャが前節の負傷により欠場の見込み。代役はセスクとの情報。ビジャは得点王争い最有力だった為、実際に欠場となれば残念。
しかし、セスクをビジャの位置に入れてもロシア戦は完勝だった為、アラゴネス的には問題ないか。トーレスがイマイチ本領発揮できていないだけにどうか。
グイサにも出番はあると思われる。

ドイツもバラックが負傷との情報。こちらはブラフの可能性もある。相手をかく乱させる心理戦かも。バラックは02W杯の決勝を累積警告で出られなかった経緯もあり、
今回は思うところがあるはず。さらにレバークーゼン時代、チェルシーでのCLは決勝で敗退の経験がある。バラックがカップを掲げる瞬間は訪れるか。

お互いの戦力比較をしてみると、
まず、前線は大会随一の破壊力を誇るスペインが有利。ただし、セットプレーの質などではドイツも引けを取っておらず、つけいる隙があるとすればそこか。
中盤だが、クアトロフゴーネスを誇るスペインは世界でも有数のクオリティ。ドイツもシュバイニー、バラックなど中盤は強みではあるがスペインには及ばない。
ただし、質が違うので、テクニック対フィジカルになると思われる。
そしてDF。これはロシア戦によって評価が一変。不安視されたスペインに穴が見つからない。逆にドイツはラームの上がりは評価するものの守備に関してはザル。
同じく、攻撃にも守備にも定評のあるS・ラモスと比べれば・・・どちらが上かは言うまでもない。
そして最も差が大きいと思われるGK。聖なるGK、サン・イケル・カシージャスに比べ、コーチングも不安でアーセナルの控えだったレーマン。実力はあったかもしれないが
衰えが隠せない。一試合だけの復活は、ない話ではないが、ギャンブルであることは間違いない。安定感がモノを言うGKで安定感がない時点で厳しい。
こうして分析を行ってみると、戦力値では間違いなくスペインが有利といえる。

多くの選手、識者の見解でも、やはり「実力はスペインが上。」ただし、「ドイツはあくまでもドイツ」
思えば、この数年間、無敵艦隊は「優勝候補」どまりではあったものの、その実力が一定水準を下回ることはなかった。常にレアル、バルサを中心とした一流の選手がいた。
ラウールやペップ、メンディエタ、イエロ、キコ、ルイス・エンリケ、スビサレータ、ホアキン、チキ・ベギリスタインなど、常に旬の選手たちが彩り、ユース年代でのタイトルは総なめ。
にも関わらず、ベスト8の壁すら崩せずにいつの大会でも姿を消した。国家集合体としての団結力が問題視され「スペインを推すやつは素人」とまで言われるようになっていた。
ドイツは90年にW杯優勝したチームを頂点として、選手の質は下降線を辿り、96年に制したEUROも選手のクオリティではお世辞にも最高の国とは言えるものではなかった。
98年に高齢化の問題が指摘され、EURO2000ではグループリーグ敗退という結果もさることながら、そのプレー内容が世界中の失笑を買った。
02W杯での準優勝で勘違いをしてしまい、EURO2004でまたしても過ちを繰り返した。これを糧に、指導内容を改革。自国での06W杯で3位という復活の兆しを見せた。

高レベルを維持しながらも勝てなったスペイン。低レベルながらも常に結果を残し続けるドイツ。
果たして、テクニックが精神を圧倒するか、精神がテクニックを凌駕するか。


◆試合開始◆6/29
え〜EUROの為に有給を取ってるワタシもバカですが、決勝をA台のバーで観戦した後、そのまま会社に行こうとしているAさん、Yさん、あなた方も相当バカです。
CLの時にでも、またご一緒しましょう。
さてさて、オープニングセレモニー始まってます。なんか、みんな楽しそうですね。ピチTのおねーちゃんも踊ってるし・・・。

国歌斉唱。選手情報、やっぱりバラックはスタメンです。トルコ戦後半と同じスタメンか。ラーム背低いな。
スペインはやっぱりビジャの変わりにセスク。トーレスの1トップにクアトロフゴーネス。
どちらもこれまでの試合から選ばれたメンバー。天候は晴れ。

緊張のキックオフ。
序盤はどちらも固さが目立つ・・・っと、S・ラモスの甘いパス。クローゼにかっさらわれ、プジョルが焦って掻き出す。固い・・・ガチガチだ。
決勝戦独特の緊張感に溢れまくっている。

5分を過ぎて、さすがに動けるようになってきたスペイン。両サイドバックも参加し、分厚い組み立てを見せ始めた。
ただし、意外にも序盤はドイツの方が楽に回しているように見える。スペイン、いつものプレスはどうした?
こうなったらスペインが固い、この時間帯にサクッと決めてしまいたいドイツだが・・・。

14分、ここでイニエスタへのスルー。抜け出た!ちょっと甘いシュートだが、メッツェルダーのクリアがゴールに。慌てて手を出すレーマン。オウンゴール寸前・・・。
スペインに自慢の味方を走らせるパスが出てきてしまった。やばいなあ。
トーレスのドリブル。メルテザッカーとの1対1、ここは強引に行き過ぎてメルテザッカーの勝ち。やっぱりリバプールのトーレスは戻ってきていない。

スペインがボールを持てるようになってきた。22分。右からのクロスに・・・トーレス!たっけえ。メルテザッカーの頭を遥かに越えるヘッド(肩にのっかったか?)
予想していなかったレーマン、反応遅れる。ポストに当たって跳ね返り、カプテビラのシュートは右へ。ここまでで、この試合、最大のハイライトだった。

今度はドイツ、CKからの折り返しにバラックのボレー。S・ラモスに当たる。そのままカウンター。トーレス、走る、走る。レーマン、プレッシャーでサイドにクリア。
今日のトーレスは燃えている・・・。本調子を取り戻すかもしれん。

28分、スペインのなんでもないクリアにカプテビラがペナルティエリアでコントロールミス。手に当たっ・・・・たね。お咎めなし。まあ、たまにある。
スペインの速攻にメルテザッカーのDF。ドイツのDFはここまでで一番良い。

前半33分。スペイン、シャビのスルーにトーレス。しかしラームが先にが追いつく・・・が、強引にもう一歩を抜け出すトーレス。1タッチ。しかもレーマンの上を超すシュート。
ボールはバウンドをしながらドイツのゴールの中へ。ゴーール!! スペイン先制。
動きは単純ながら、あの体の使い方は超人的。燃えていたトーレス。ついにエル・ニーニョ覚醒!大舞台で仕事をやってのけた。

調子が出てきたスペイン。イニエスタの切れ込み。右サイドから走りこむシルバ。どフリー。パスが上手く入った。ボレーは当たり所が悪く、ふかしてしまった。
ここでバラックが負傷。なんで?血出てます。外に出さないドイツ。いいのか?どうやらセナと接触した模様。

40分、ドイツのCK。得意のセットプレーだが、カシージャスのパンチ。ナイス飛び出し。しかし、バラックのプレーにクレームをつけてカシージャス、バラックにイエロー。
うーん。いらないカードだなー。

45分、スペインのCK。S・ラモスにラームが乗っかる。スペインが優勢じゃなくてラームがちびっ子でなければPKだったかも。
ここで前半終了。0-1。

 


前半の出来を見る限り、ドイツは悪くないものの、スペインの良さが出てきちゃったのでツライ。
クアトロフゴーネス、特にイニエスタがキレてきたので、ドイツDFは頑張っているものの、スペインが上回るシーンが出てきた。

さあ、後半スタート。
スペイン引き離すか。ドイツ追いつけるか。
ドイツ、選手交代。ラームが下がってヤンゼン投入。先制点の責任はラームっていうよりもトーレスのスーパープレーなんだけど。
レーヴ監督、保守的な交代はあまりよくないなあ。(どうやらラームは怪我だったようです)

5分、マルチェナのクリアがクローゼの股間に入った。いってえ・・・。前にフットサルで外人のFK股間に食らったことがあるが、ホント立てなかったからね。
でも、股間負傷で交代したくないよな。オレはしたけど・・・。

スペインのCK。シルバが処理に手間取ったが、抑えたシュート。S・ラモス、ヒールで引っ掛けようとするも触れず。ボールは外へ。
9分。さらにスペインのチャンス。1点目と同じようなシーン。トーレス、走る、走る。しかし、今度はレーマンが押さえ込んで処理。2度はやらせない。

ドイツはヒッツスペルガーを下げてクラニー投入。ビハインドなので攻撃的な交代は、たとえ結果的に駄目であっても評価できます。
そしてその直後の14分、プジョルが粘ったものの、奪い返したドイツ。左サイドのクロスにシュバイニー。ミスかと思った処理にバラックがボレー。
惜しくもボールは外へ。さらにドイツ。バラックのクロス。クラニーにはドンピシャ。しかし、一瞬早くカシージャスがクロスをカット。
17分、カウンターのドイツ。3対3。シュバイニーのシュート気味のパスは、クローゼに当たり、惜しくもラインを割った。
どうやら交代は吉と出たか。攻勢に出るドイツ。

ポドルスキとシルバがやりあう。お!シルバ、頭突き?一気にヒートアップする場内。W杯決勝の再現か。荒れるバラック。お前は一枚もらってんだからヤメロ。
スペインはここでセスクがOUT。シャビ・アロンソが入る。
さらに20分、熱くなったシルバに替え、サンティ・カソルラ投入。するとスペインが再び攻勢に。オフサイドになったものの、S・ラモスのヘッド。
さらにイニエスタのシュート。メッツェルダーに当たってクリア。決勝にしては、お互い攻めますね。いい試合です。

30分、残り時間も少なくなってきた。ドイツはバラックが良くない。思えば、スペインにはドイツでのバラックのようにチーム内で頭ひとつ抜けた存在はない。
ビジャの代役もセスクで成り立ってるし。ドイツはこのままバラックと心中するのか。

ここでトーレスとグイサが交代。追加点を狙うか。ドイツはクローゼとマリオ・ゴメスがチェンジ。点が取れないのはクローゼのせいじゃないのだが。
残り時間は10分・・・。

試合を壊しかねない、レーマンのエリア外でのハンドプレイが見逃され、スペインの早い攻撃。
グイサにドンピシャのクロス。それを中央に折り返す。フリーのセナ。しかし、からぶりのセナ。1点モノのシーン。際どかった。

43分。開き直ったドイツ。放り込みに徹する。
怖い。こうなったドイツは怖い。攻撃は最大の防御。前線で試合を作るスペイン。
もはや消耗戦。時間もロスタイム。プジョルは魂で守備をつづける。

そして・・・その時が訪れた。
タイムアップ。
スペイン優勝!!

長きに渡る呪縛を解き放ち、ついにスペインがついに栄冠を手にした。
最後の最後でついに爆発したフェルナンド・トーレス。
カップを掲げるカシージャス。喜びを爆発させるスペインイレブン。
S・ラモスは心臓発作で亡くなったプエルタのシャツを着てスタジアムを駆け回る。

結局、最後で「実力以上の見えない何か」は出ることがなかった。
結果を見れば戦力値通りの展開。粘り強く、チームの力を信じて戦えば、いずれジンクスは破られるということだ。
スペインの選手は大半が20代。おそらく2年後のW杯は勿論、現有戦力にさらに熟成を重ねたものになるだろう。
殻を破った無敵艦隊。恐れるものは何も無い。スペイン黄金時代、到来の予感。







大会総括
EURO2008。
試合のクオリティは、やはりW杯よりも高い気がする。それは実力を出せる立地条件と、環境が影響しているからだと思う。
2年後の南アフリカで同じような試合が何試合見ることができるかは置いておいて、4年前のようなサプライズはなかった。
スペインの他にもオランダやポルトガルなど、優勝してもおかしくはない国々もあったが、メンタル面での熟成度で適わなかった。

そういった意味で強国をなぎ倒したトルコ、クロアチア、ロシアといった中堅国は試合内容、メンタル、結果も素晴らしかった。
開催国2国が不甲斐ない戦いを見せたものの、ゴールシーンも多く、特に終盤でのゴールが多かった。

今回、期待を裏切ったのは世界王者と2位の国。両国が奪ったゴール数を合わせても1試合のスコアぐらいにしかならない。
唯一の定評だった守備もオランダに切り裂かれ、引き立て役にしかならなかった。
イタリアはトニが不発だった時の対策が皆無に等しく、涙ぐましいまでの放り込みは実を結ぶことはなかった。
トニの他に同タイプの選手(ジラルディーノの成長)とトッティクラスの攻撃の起点になれる選手の出現を待つしかないだろう。
ディナターレはジョーカーにもならなかった。あれならピッポを呼んだ方がマシ。

優勝の期待をかけたドイツは、その実力からしてみれば上々の2位という結果に終わったが、クロアチアに内容で完敗を喫するなど、やはり王者の器ではなかった。
せめて、バラックと肩をならべるくらいの選手がもう一人いれば、という所だが、数年前の唯一の期待の星、ダイスラーは精神的な問題で、若くして引退してしまったし、
シュバイニーやポドルスキはまだまだ。
スペインの選手は、プレミアリーグなど海外に積極的に進出して代表レベルで成功を勝ち取った。
ドイツも一昔前はセリエを中心に海外に多くの選手が出て行った時代。バラック以外の選手が国内育ちなんて温室で育ったんじゃ国際試合じゃ勝てません。
南米A代表は自国選手なんて皆無の時代。もっと外へ。ゲルマン民族よ。大移動だ。

ポルトガルは、C・ロナウドの大会になるとまで言われ、実際にロナウドの動きは悪くなかったが、永遠のテーマ、CFが未だヌーノ・ゴメスとは・・・。
日本同様、CFが育たない土壌なんすかねえ。

チェコはロシツキが消えた時点ですでに大会から姿を消してしまったように思われる。ネドベドの黄金時代が過ぎて、サイクルは終わったのか。
スウェーデンも怪物イブラを生かせるのがラーションだけ。リュングベリは小粒になっちゃた上、代表引退。ちょっとこの先厳しいなあ。

オランダは今大会の台風の目だったんだけど、ロシア戦を見ると、やっぱりオランダイズムなんだよなあ。
取られても取り返すの精神。延長戦で「取りかえせない」時間帯になっても甘いメンタルは変わらず・・・。結局、ゴールを決められるのを歩きながら見つめていた。
プジョルのような存在が出ない限り、オランダは第2の「優勝候補どまり」になってしまうかも。

優勝したスペインは、ようやく「結果」を手にいれた。
もし、負けていたら自分たちで呪いを強化してしまう戦いだったが、見事、勝利を勝ち取ったことで今後の展開は一変することだろう。
もともと、地力はある国であり、常にU世代の代表ではタイトルを勝ち取る育成大国。
今後も安泰といえるだろう。


◆個人的ベスト&ワースト

FW
1位 トーレス(スペイン) 2位 ビジャ(スペイン) 3位 ポドルスキ(ドイツ) 4位 パブリチェンコ(ロシア) 5位 セミフ(トルコ)   最下位(ワースト) ルカ・トニ(イタリア)

FWのトップはトーレス。得点王こそビジャに譲ったが、決勝というプレッシャーのかかる試合でのゴールに敬意を払いたい。アシスト能力も評価の対象。ポドルスキはリーグ戦での不調を
吹き飛ばす好調ぶり。ドイツ準優勝の立役者といってもいい。パブリチェンコはブレイクした一人。ロシアのスピードを彩った。セミフはミラクルの象徴。ラッキーもあるが、いい仕事をした。
FW部門のワーストはトニ。動きの内容的には酷評されるべきではないかもしれいが、イタリアという結果が全ての国のエースとして4試合無得点。
彼が1点でも決めていたら決勝の地にはイタリアが立っていたかもしれない。


MF(攻撃的・守備的あるのでBEST10)
1位 イニエスタ(スペイン) 2位 セナ(スペイン) 3位 シルバ(スペイン) 4位 アルシャービン(ロシア) 5位 シャビ(スペイン) 
6位 スナイデル(オランダ) 7位 デコ(ポルトガル) 8位 モドリッチ(クロアチア) 9位 セスク(スペイン) 10位 シュバインシュタイガー(ドイツ)   
最下位(ワースト) ナスリ(フランス)

MFベスト10には、スペインからクアトロフゴーネスの4人に加え、地味ながら最も貢献度の高かったセナを選出。スペインの中盤は、まさしく創造者であった。
そして、ブレイクを果たしたアルシャービンとモドリッチ。素晴らしい逸材である。シュバイニーは若さも目立ったが、後半戦の勝負強さが光った。
ワーストはナスリ。ジダンの後継者は光り輝くことなく大会を去った。与えられたチャンスが少ないというのはあるが、臆病なプレー内容にがっかり。


DF
1位 S・ラモス(スペイン) 2位 マルチェナ(スペイン) 3位 メルテザッカー(ドイツ) 4位 キエッリーニ(イタリア) 5位 プジョル(スペイン)   
最下位(ワースト) マルコ・マテラッツィ(イタリア)

トップはS・ラモス。守備だけならマルチェナだが、SBらしく、攻撃面での貢献が高かった。もちろん、そのラインを支えたプジョルもランクイン。満身創痍でDF陣を引っ張った。
尻上がりに調子を上げたメルテザッカーとキエッリーニ。特に後者は初戦の失態を取り戻す出来をスペイン戦で見せた。
DF部門のワーストはダントツでマテラッツィ。初戦のオランダ戦で、崩壊の要因ともなった。唯一の支えであるメンタル面でのプレッシャーやセットプレイからの得点もなく、2試合目から
出番を与えられることはなかった。


GK
1位 カシージャス(スペイン) 2位 ブッフォン(イタリア) 3位 ボルツ(ポーランド)&ファンデルサール(オランダ)   最下位(ワースト) ニコポリディス(ギリシャ)
1位は優勝チームのキャプテン。的確なポジショニングに加え、イタリアとのPK戦は感動を覚えた。次点はブッフォン。ルーマニア戦のPKストップを始め、イタリアがベスト8まで進めたのは
彼のおかげ。3位は同点でボルツとファンデルサール。特にボルツはピンチの連続のポーランドで神がかり的なセーブを連発した。
ワーストはニコポリディスだが、大きなポカというよりも衰えが目立った為。そういう意味ではレーマンもそうなのだが、一応、準優勝GKなのでワーストはかわいそうだろう。


監督
1位 レーヴ(ドイツ) 2位 アラゴネス(スペイン)&テリム(トルコ) 3位ヒディング(ロシア)     最下位(ワースト) ドメネク(フランス)

監督部門の1位はレーヴ。理由は戦力と結果の比較。アラゴネスは戦力値から、彼でなくても優勝できた可能性があるので。テリム、ヒディングの中堅国が勝ち進んだのは清清しかった。
最下位はドメネク。グループリーグ敗退という結果もさることながら、問題はその後の対応。あろうことか敗戦後のインタビューでプロポーズ。女性からすればロマンティックな人物かもしれないが、人の上に立つ資格ゼロ。こんな監督の下では試合に出たくないと思うだろう。


ベストゲーム
1位 ロシア-スペイン戦(ベスト4) 2位 ロシア-スウェーデン戦(グループD) 3位 ポルトガル-ドイツ戦(べスト8)&クロアチア-トルコ戦(ベスト8)  最下位 (ワースト)ポルトガル-スイス戦

今大会のベストはスペインが特に素晴らしかったベスト4の試合。まさしくゴールまでのレスポンス全てが凝縮されたゲームだった。2位はロシアがオランダ流のトータルフットを見せた試合。
スウェーデンはなす術もなかった。そしてベスト8のポルトガル戦。内容的には固い展開だったが、追いつき、逆転。魂の試合だった。そしてミラクルターキーの試合。あれは興奮した。
ワーストは勝ち抜けと最下位が決まっていた消化試合。その上でガチのポルトガル2軍が敗退。なんだかなあ、と思った試合。

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