1 Fuji Rock Festival 2012 2012.7.27〜7.29 at 苗場スキー場
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1日目 7/27

AM7:00。首都高に乗って、関越へ。
しかし、やはり平日の朝は混んでいる。外環で少し時間をロスしてしまった。

このままの予定だと、湯沢に着くのが11:00くらい。
会場に着くのが12:00といったところか。

まあ、エド・シーランが見れるくらいならいいか、と思い車を走らせる。
久々のFITなので、何度かウインカーとワイパーを間違える。カンカン照りの中、動くワイパーは悲しい。
フェスとスノボーの時しか乗らないので、慣れに時間を要したが、慣れれば運転しやすいことこの上ない。

関越に入るまで、中途半端な朝の渋滞といった感じで、群馬に入るまではあまり速度も乗らなかった。
去年は点数0(違反者講習の対象)だったのでビビっていたが、日本国に金を払って禊も終えたので、今の俺は6点満点だ。
去年よりアクセルを少しだけ踏み込んで、渋滞含めて、湯沢インターに着いたのはナビ通りの11:00。

先にホテルにC/Iということで、今年もふざけたオーナーのいる宿に向かう。
と、その途中のコンビニで飲み物を買ってる最中にオーナーから電話が。
オーナー「あの〜、ホテル〜会場への送迎サービスはいらないんでしたっけ?」
俺「はい。場内の駐車券を持ってるんで。あ、あと5分くらいで着きますんで先にC/Iだけします。」
オーナー「はいはい。誰かいるんで、やっといてください。」
・・・・・相変わらずテキトーな感じだ。

こうしてホテルに着くと、フロントに誰もいない。
誰かいるって言ったじゃねえか。

館内を少し探して回ると、去年も会った郁恵ちゃん似の奥さん?が。
先にC/I作業をして金を払おうとしたら
奥さん「あ、オーナーが戻ってきたときでいいです」とな。
ほしたら、荷物入れさせてもらおうか。

今年も部屋は良い部屋だ。そこは問題ない。
で、荷物を置いて、出発しようとすると、奥さんが
奥さん「カギ、持ってってもいいんですけど、無くすとアレなんでフロントで預かりますよ」
俺「帰り、遅いですけど」
奥さん「フロントにカギ置いておくんで大丈夫です」

・・・・・それ、防犯的に大丈夫って言わねえだろ。
まあ、金払ってないので、おとなしく預けて会場へ。

シャトルバス渋滞もあったが、会場には12:00前に着いた。
けっこう車は満車に近く、普段から意識的に出入り口に近い位置に停めてるが、デフォルトで近い位置になってしまった。

ケータイで天気をチェックすると終日晴れの予報。
いやーこんな快晴のスタートは久しぶりだなあ。



・・・・しかーーーーーし!!
リストバンドの交換の列を探すと、過去に例を見ないほどの長ーーーーーーーーい列が。
うっそ。これ1時間ぐらいかかるぞ。

まあ、実際には30分〜40分くらいだったのだが、それでも長かった。
スマッシュも、そろそろ学んで3日券と1日券を分けるとか、この時間帯だけ窓口を増やすとかしてほしい。
クリエイティブマン(運営がクソなサマソニの主催者)じゃないんだからさ〜。

この列の5〜6人手前に、ピカル芸人と人気俳優のグループがいて、前の女性陣がテンションMAXになっていた。
招待客じゃなく、一般客で、しかも代理じゃなくて自分でちゃんと列に並ぶなんて・・・好感度は大だ。
その後、なんどかグリーンステージで見かけることに。

まあ、その話は置いといて、今年のリストバンドは3日券はグリーンだ。

例年、余りの部分が長すぎて、受付でハサミでカットしてるのだが、今年は長くない。
どうやら、人の手首のサイズには上限があると分かったらしい。
ちなみに1日券は、初日が青で二日日目がオレンジで、三日目が黒と赤のツートンだった。
二日目と三日目が売り切れて、初日は一日券が当日が出たはずなので、
引換所に、これだけ人であふれているというのは「三日券が多い」ということの表れだろう。
各日4万人。MAX12万人に限りなく近い人数が入る今年は、前途多難である。

でも、なんだかんだいっても、入口ゲートが近付くと、熱いものがこみあげてくる。
入口の手前のゴミ捨て場には、恒例の『おかえり!今年も楽しもうね』というボードが。
うーん。

「ただいま!!」

さて、なぜか絶対に行列ができない、ザルの荷物チェックが始まった。
カバンを二つ下げていたが、一つの中を見せると「OKでーす」とな。
・・・・。
毎度、毎度・・・・・。
まあ、彼らは俺ら以上にフジのエキスパートで、荷物ではなく、荷物を見せる入場者の顔色を見ている・・・
のだと信じよう。

今年の陣地用、据え置きバッグはなんつっても『海に浮く』完全防水のバッグだ。
入口でビニール袋を断り、いつもの場所へ。

時間が12:30を回っており、なんとか陣を張るスペースがあった、というレベルだが仕方ない。
とっとと陣を張り、グリーンステージへ。

注目のエド・シーランがすでに1、2曲やったところだ。
上半期1位に推したエドシーランのステージ。気になるぜ〜!
と言いながら、ハイネケンのブースに向かってしまう。

こんなに晴れたスタートは珍しい。どうせ、どっかで雨に降られるんだから、今のうちに
ビール日和を噛みしめないと。

・・・・美味い・・・。
死ぬほど美味い・・・。
一年で最高の三日間の始まりに相応しい。

さて、ビール一杯でホロ酔いになる、惰弱な消化器官を持つ俺だが、
この時ばかりは、それがむしろ幸運に感じるくらい。
フジのメインステージにも関わらず、ストリート同様、アコギ一本に、Tシャツとハーパンというエド君。

バックバンドどころか、アコギ以外の楽器も必要なし。
これが音楽の国のストリートNo1アーティスト。

歌詞の内容は、結構悲しい内容なんだけど、あまりに美しいメロディにノックアウト。
さらにブラックミュージック方面もこなす多才さ。
それが一枚のアルバム、アーティストで共存しているのだからネコ男子(ギターの足跡に注目)、恐るべし。

期待を裏切らなかった新鋭(ちょっとムチムチしてたけど)を見て
ゴキゲンになったので、そのままの流れでホワイトに向かう。

空いてるはずの金曜だけど、会場内に、かなり人はおおいような・・・。

ところ天国の川も、ちょっとした市民プールより人がいる。

さて、ホワイトにやってきて、ジャンゴジャンゴを見るが、ちょっと移動に時間が掛かり過ぎて、そっこーで終了。

うううううむ。

仕方ない、OWL CITYみとくか、ということでボードウォークに向かおうとすると、
なんということでしょう。ホワイトの脇には、大きな丸太小屋が・・・
って、こんなの、去年なかったぞ?大改造ビフォーアフターでも入ったか?


何のために、誰が作ったのか定かではない、まるでナスカの地上絵のような丸太小屋をわき目に、
ボードウォークを歩きグリーンステージへ戻る。

しかし、ボードウォークもボロくなってきた。
新しい木を入れたりして補修しているが、やっぱり風雨ってすごいんだなあ、と自然の力を思い知る。
一年後にはすっかり消えちゃう、大量の書き込み。
それでも、やっぱりこれがフジロックなんだよね。

こうしてグリーンにとんぼ返りしたわけだが、ちょっと時間があるのでオアシス(食堂エリア)へ。

おお、空いてる。怖いぐらい空いてる。
これは、チャンスだ。

存分に店を見て回り、選んだのは牛タンの出店。

牛タン弁当は店頭の写真よりも、ちょっとそっけない感じ・・・。
牛タンカレーとからあげ(なんか美しくない・・・)は見た目はアレだが、味はバッチリ。
やっぱフジ飯はレベルが高い。

腹も満たされたのでグリーンでOWL CITY。

さすがにネームバリューがあるので人が多い。
時間的にも、バス組や遅刻組も到着した頃で、この辺りの人出が、初日の正しい混雑具合なのだろう。
完売してないっつっても例年より多いよなあ・・・。

演奏の方は透明感あり、日が落ちる前のぼや〜っとした時間を埋めるにふさわしいLIVE。
今年の新人てわけでもなく、すでに実力が証明されたバンドだけに、堂々のグリーンステージというところか。

フジっぽくなってきたところで、またもやホワイトへ移動。
ここではHIPHOP。と言っても、純国産100%のブルーハーブだ。

黒人のHIPHOPを聞く時、どうしても残る違和感。
ネイティブでない限りは、彼らの言葉がリアルタイムで胸に響かない。
彼らの世界観が理解できなければ、共感などありえない。そういう違和感。
メロディとのバランスが絶妙な曲でない限り、やっぱりHIPHOP聞くなら言葉が理解できないとダメだと思う。

それが日本人の、日本人による、日本人のための言葉の力。
去年の悲劇から、今に至る日本の現状と、想い。
逆に言うと、ここは日本人(ほとんどがヤローばっかり)であふれていたように思う。
フジは外人の客もけっこう多いけど、日本人がまくしたてる
「俺たちの国の代表者よ!君たちの仕事ぶりを見せてくれる日はいつなの!?」とかいうリリックが理解できるはずもない。
でも、これが俺たちのHIPHOPなんだよ。
ブルーハーブを聞いた後に涙ぐむ連中がいたのは確かだった。

日が傾き始め、少し眠気が襲ってきた。
そうなったら、決まってる。
寝ちゃえばいいんだよ!だってココはフジロックなんだから。

夜はストーンローゼズが待っている。
できればリアムの時には元気いっぱいでいなければならないのだ。

こうして陣地に戻り、眠気増進の為にもう一杯ビールを飲んで、早速おやすみ。


ZZZZZZZ

なんだか・・遠い所からドカンドカン音がする・・・・

・・・・・ボケーっと起きて時計を見ると、1時間ほど寝てたようだ。
うーん。腕がいてえ・・・。
どうやらがっつり日焼けしている。海よりも山の方が日に焼けるんだよなあ。

ドカンドカンという音は、もちろんグリーンステージのブンブンサテライツだwww。
ああ、相変わらずやってんなあ。

ブンブンをバックミュージックに寝ころんでカバンを漁る・・・ゴソゴソ。
たしか・・・チョコレートが・・・お、あったあった。

・・・・・・・・ドロッドロ・・・・・


・・・・・まあ、暑かったからねえ・・・。

さて、じゃあそろそろ起きてリアムでも見に行くかなあ。
ローゼズまで帰ってこれないし、軽装でいこう。

ブンブン終わりのグリーンステージは、それほど混雑してるってほどでもなくモッシュピットの入口までは難なくこれた。
が、入口はずでに封鎖中。一旦、入れるのを制限したようだ。
ビーディアイ(リアム)の開始までは20分ほど。
直前にピット内の客を前に詰めさせて、もう一回モッシュピットを解放するのは間違いない。
そんなわけで入口の所で待っていたら、あ、開いた。やっぱし。

押し込まれるようにモッシュピットへ。

リアムは何度も見ているだけに、ちょっと後方に逃げておく。
体力をローゼズに残しておかないと。

そして日が落ちて、ビーディが登場。
うーん。なんだか一段と大きくwwwなったなあ弟。
自前のブランドのTシャツはピチピチじゃねえかwww。

やっぱし、ドッカンナンバーでスタート。良くも悪くもリアム流。

ローゼズが控えている上、オアシスナンバーと違い、やや馴染みの薄いビーディーのナンバーでシンガロングは起こりにくい。
が、ここでリアムが公言していたオアシスのナンバーが解禁!
自分で作詞した曲から歌うと思っていたのに、なんとなんと、チョイスしたのは「ロックンロールスター」!
観客は一気に沸騰した!
マジかーーーー!!!

頭にタオルを乗せてふてぶてしく仁王立ちのリアム。
まさか、オアシスの代表曲を歌いやがるとわ!

さらに、ここでは「モーニンググローリー」も披露!

意識的にオアシスを封印してきた反動からか、あまりにベタなナンバーじゃねえか!

ノエルがアコースティックにオアシスを歌いあげるのに対し、リアムはあくまでもロッケンロールにガナリまくる。
もちろん、観客も大合唱。みごとなシンガロング。

あまりの反応の違いに(?)リアム御大、ちょっと不機嫌?
つーか、今日のリアムは機嫌が良くない。
せっかくのローゼズの前座なのに。せっかく「オアシス解禁」なのに。
なんか、スパッとやって、スパッと帰って行った。

最後に「次はローゼズ!ヨロシク!」みたいな(雰囲気です)ことを言って袖にはける。
フジロックで幕を開けた過去との遭遇。リアムの心境やいかに。

さて、リアムが終わったら、当然ストーンローゼズの出番だ。
もちろんモッシュピットは超満員。
同年代か、ちょい上、ちょい下くらいの客層。・・・そうだよね。
この日が来るのを20年待った。
それは、決して誇張でも何でもない。

果たして、俺をロックの道に導いておきながら、実際には一度も見たことがない幻のバンドがやってくる。
あと、数十分で。


掲示板に映し出される、ザ・ストーン・ローゼズの文字があまりにも現実味がなくて、
頭がどうにかなってしまったのかと思う。
ステージ上に、レモンの柄のドラムがセットされ、歓声があがる。

レ二のドラムだ。レ二がいなけりゃローゼズじゃないんだ。

今世紀中に達成されることがないだろうと言われた、一瞬のきらめき。
今日の夜の出来事は、一生忘れないと思う。


電飾が落ちて、スポットライトに切り替わり、その時は、あまりにも唐突に訪れる。


ジョンがやってきた!
レ二がやってきた!
もちろん、マニは笑顔でそこにいる!
そして、その三人と一緒にイアンが立っている。

この目で見ても、にわかに信じられない光景に軽いめまいを覚えるが、一気に始まるおしくらまんじゅうで、なんとか我に返る。
涙が出るかも、とか、心臓が張り裂けるかも、とか思っていた心配事は杞憂に終わり、
ただ、頭が真っ白で、正直、今でもこの時の記憶はあんまり無い。

覚えているのは、大合唱過ぎて、I wanna be adoredのイアンが、上手いのか下手なのか全く分からなかったこと。

念のためにセットリストを記すが、全ての曲が、あまりにもノスタルジックすぎて、
俺の感想が多分、他の誰にも当てはまるものではないだろうと思いつつ、同時に
同じような環境を過ごした人間もさぞかし多いのだろうと思ってしまう。

1.i wanna be adored
2.mersey paradise
3.(song for my)sugar spun sister
4.sally cinnamon
5.ten storey love song
6.where angels play
7.shoot you down
8.fools gold
9.something’s burning
10.waterfall
11.don’t stop
12.love spreads
13.made of stone
14.this is the one
15.she bangs the drums
16.i am the resurrection

一つ一つ挙げてしまえば、それこそキリがないが、イアンがソロでも歌い続けたFoolsgoldは、ローゼズに帰ることで
あまりにも自由になり、完全に解放されていた。
ジョンのギターはブランクなど全く感じさせず冴えまくる。
マニはシーンの最前線で弾きまくっていたし、イアンもソロで歌唱力が大幅アップwww
レ二は、比較のしようがない。だって、彼は存在しない男になっていたのだから。
しかし、そのドラミングは、ローゼズの魂と言っても良い音だった。
レ二がいなくなった後のローゼズは、そのLIVEの出来の悪さから解散に追い込まれ、
ジョンとイアンの十年以上に渡るすれい違いの確執が始まった。直接会うことはなく、メディアを通じて積み上げられる負の連鎖。
ドラムの音は一つずつ、その確執を溶かしていく。

this is the oneは、個人的にも、とても大切な曲。

みんなが望んでいた、たったひとつのこと。
これが、それなんだ。

最後に歌われた曲はi am the resurrection

数年前は、ハイライトになるとは思わなかった曲だが
最後の最後で、一斉に、そして高らかに 『俺は復活する』 と声を挙げるこの曲は、ローゼズの復活のラストを締めくくるに相応しかった。
(Youtubeで拾った動画 俺は興奮してて自分で撮ってないけど、実際はこの100倍 凄かった)


俺は、この夜を忘れない。



・・・・

ローゼズが終わって、抜け殻のような俺。
これで、三日目のレディオヘッドまでもつんだろうか?

とりあえず陣地に戻り、休息。
落ち着いてきたら、腹が減ったな。
グリーン終わりのオアシスエリアは混んでるので、ワールドレストラン側へ向かう。

さんざん悩んだあとにオムハヤシに決定!

注文から、光の速さで出てきたので俺の注文したやつだとは思わなかった。
半熟だし、卵とじって一瞬なのか。

味は、うまし。
数年前はワールドレストランは、苗場食堂の連中からしてみれば、味が落ちる場所だったけど
もはや、その定説はあてはまらない。

メシを食いながら、今夜の予定を話し合う。
どうやら、ツレはTHE FIELDを諦めきれないらしい。AM3:00〜か。仕方ない。
明日は朝は特に気になるものもないし、AM4:00頃帰るか。

こうして初日の夜が始まった。
メディアブースでラジオをチラ見。そしてレッドマーキーへ。
ジェイムズ・ブレイクがDJで回してる。

DJっぷりを見てやろうと腰を下ろして聞いてみるが、どうにもセンスを十分に生かしきれるのは
自身のLIVEセットの方みたいだ。
少々肩すかしを食らったので、PAブースに回り込み、PAの仕事を眺めることに。

映像機器が恐らく3〜5台。メインの指示系統に対して、独自のセンスで流す映像を重ねるエンジニアが二人。
ぴったり曲にハマるとPAエリアでOKのサインが飛び交う。

フェスの裏側の楽しみ方。
映像関係の仕事もするようになってきたので勉強になる。

時間はAM2:00。暇なので、一人マーキーを出て、夜中のオアシスをぶらつく。
岩盤ブースには人が集まっている。ここでもDJセットが組まれているようだ。


個人的にはTHE FIELDにハマっているわけではないので、ブラブラしてみたが、少し冷えてきた。
カバンから取り出したカーディガンを羽織って、歩いてみるが、2時間は長すぎる。

少し考えた結果、せっかくなのでオレンジのオールナイトフジまで行ってみるか。という結論に。
だいぶ夜も更けてきたので、人は少なくなってきた。
グリーンステージは閉鎖され、昼間とは違う顔を見せる。


まだ、オールナイトやマーキーはあるし、フジロックは眠らない。
けれども、それはとても神秘的に、大人の時間として過ぎていく。

そういえば、こんな夜の過ごし方は2006年以来かも知れない。
贅沢な時間。
永遠に明けないような真夜中のカーニバル。

森の中を進み、人のいなくなった川を渡り、光の差す方向へ。

そして繰り広げられるDJバトル。
静寂から喝采の中へ。夜通し行われる野外フェスティバルならではの祝祭感。

やがて、夜が白み始め、新しい一日が近付いたのを知るころ、我々はようやく帰路に着くことに。


時刻はAM4:00。

コンビニで買い出しをして、ホテルに着いたのはAM5:00に近かった。

・・・・ここで終わらないのが初日の凄い所。

ギィィィとホテルのドアを開けて、フロントを見ると真っ暗。
なぜか、ホテル内でマグライトを使用することに。

C/Iの際に預けた部屋のカギをフロントで探す。しかし、そこで驚愕の事実が。

俺「・・・カギが置いてねぇ」
ツレ「・・・・え?」

そう、たしかに『カギ入れ』なるものはあるのだが、BOXは空っぽ。
・・・部屋に入れねえ。

俺「なーんか嫌な予感したんだよな」
ツレ「カギ持ってかれたんですかねえ?」
俺「この田舎でそんなことねえって。置いとくの忘れたんだよ」

マグライトで周囲を探すが、やはり部屋のキーはない。
「すいませーーん」と声をあげ、ホテルに電話も鳴らすが目の前の電話が留守電に切り替わるだけ。
・・・・マジか。

と、明らかに昼間の客に対してだと思うが、『フロントに人がいないときは2Fの食堂まで』という札を発見。
ダメもとで、AM5時の暗闇の中、マグライトで階段を照らしながら、食堂へ向かう。
完全にバイオハザードの世界だ。

ギィィィとなる食堂のドアを開け、「すいませーん」と声を挙げるが誰もいない。
広めの食堂でキッチンの中ものぞいてみる。
ゲームなら、ここで最初のゾンビに襲われるシーンだ。

運が良いのか悪いのか、ゾンビの姿はなく、1Fへ戻る。
真っ暗なフロントで、二人で途方に暮れるが、頭にきたので、勝手にフロント内部に入ることに。
完全にコソ泥の構図だ。
ライトで照らしながら、フロントの中を捜すと、重要アイテムが出てきた。
ピロリローン♪ 『カギ束を発見した』
車のカギの他にいくつかカギがついている。

俺「俺のカンが疼いている。この中にホテルのマスターキーがある」
ツレ「マジすか。どんな管理体制ですか。」
俺「とにかく部屋へ行ってみよう」

EVで部屋まで上がり、ノブに刺さるカギを探す。
ガチャリ・・・・。

・・・・開いた。やっぱし!!

部屋の中は無人。荷物もそのままで、やはりカギは盗られたのではなく、置いとくのを忘れただけだ。
二人で、乾いた笑いを浮かべた後に、
「まあ、ホントふざけたホテルだよなぁ」と。

マスターキーを持ってるのはまずいので、大浴場に行った後に、カギ束をそっとフロントに戻すことに。
風呂では予想通り、日焼けで悲鳴を上げることになるのだが、夜明けの変なテンションだったのでそれほど気にならなかった。
帰りに、再び暗い無人のフロントに立ち寄り、もとあった場所にカギを戻す。
・・・完全犯罪か!

オリンピックを見ながら、太陽が昇りかけた部屋でいつの間にか寝て、フジロック史上、もっとも長い一日は幕を閉じた。



2日目につづく。

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