2014 FIFA WORLD CUP
1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6

TOURNAMENT

  【ベスト16総括】
グループリーグの1位と2位の戦いということで、超A級の国とB級〜A級の国との対決となった。
にも関わらず、8試合中、6試合が延長戦までもつれ込む大接戦。
その理由としては @強国ほど研究される AはじめからPKに持ち込む覚悟をもっている というのが
主な所だろう。それでも、PKまでもつれ込んだのはブラジル戦とコスタリカ戦のみ。
やっぱり延長線では自力が出てくるものらしい。
南米だらけだった状況も、組み合わせの関係でつぶし合い。欧州勢とのバランスも良くなってきた。
キャプ翼世代としては、やっぱりドイツには頑張ってほしい所だが、ブラジルvsアルゼンチンなんて
すげえ面白い試合になるかもなあ、なんて思う。
Best16までは強者と弱者の組み合わせの息苦しい試合が続いたが、ここからは強者と強者。
延長狙いや守備固め戦術なんてものがなくなるだけに、ワールドカップの別の側面が見れるだろう。
こっから先が本番だ。


 
Best8 (byフォルタレザ) 1st
   開催日: 2014年7月4日
ブラジル   2 1-0 1 コロンビア  
1-1
【マッチレポート】
勝ち残ってはいるものの、圧倒的な強さを見せつけているわけではないブラジルと、対照的に、内容が評価
されているコロンビアとの試合。

ブラジルは、開始から攻勢に出る。コロンビアは自慢の攻撃の形をみせる間もなく防戦一方。
左サイドからのCKに、中央で待っていたのはD・ルイスとT・シウバ。ルイスが競って、届かなかったボール
だったが、後ろで待っていたT・シウバが膝で押し込むようなシュートで先制。
前節の勝利の後の涙を「メンタルが弱い」と非難されていたTシウバ。吠える。
CBコンビの頑張りで早くも1-0。

不調だったボランチのフェルナンジーニョも効いていて、コロンビアの攻撃を早めに潰すブラジル。
今のところ、攻撃面での良さが消されているコロンビア。J・ロドリゲスにもボールが集まらない。
マルセロ、ネイマールもディフェンスをがんばる。サイドもプレッシャーが厳しいブラジル。
組織的な守備が出来ている為に、攻撃も良く見えるブラジル。好調のコロンビア相手にここまでは完璧な試合。

ブラジルにとって、唯一というか、他の強国に比べてクオリティが落ちるアキレス腱がセンターフォーワード。
フレッジもジョーも相手の脅威にはなっていない。
しかし、98年のフランス、06年のイタリア、10年のスペインにはいずれも強力なストライカーを擁したわけでもなく
全員で点を取って優勝したような印象がある。

前半は、ほぼブラジルのプラン通りに進んで終了。

後半、コロンビアはFWのラモスを代えたが、ペケルマンは守備で修正をしたように思う。
前半よりもコロンビアの守備が良くなって、ブラジルのキープしている時間が少なくなってきた。
J・ロドリゲスが胸トラップからそのままグアリンにダイレクトパス。一瞬、前回のスーパーゴールを思い出した。
やっぱ、ハメスはこのトラップ能力が凄い。グアリンのシュートはあさっての方向だったが、少し沸いた。

後半19分、コロンビアGKのゴールキックを狙っていたT・シウバだが、ちょっと強引にいきすぎたようで、カード。
累積で、勝った場合、次節のドイツ戦には出られない。これは痛すぎるなあ。

コロンビアのFK。もつれて倒れるサパタ。そしてJ・セーザル。団子状態。変わらずボールを蹴りまくるジェペス。
傍から見ると、サポタに暴行を加えているかのような画www。
ゴールに流し込むが、もっと前にオフサイドの笛。残念。

直後、今度はブラジルのFK。いい位置だ。必死に「左へ行け」のジェスチャーを送るT・シウバ。
それにつられるコロンビア勢。空いた所に、鋭く速いD・ルイスのシュートが刺さる。ブラジルに追加点!
やはり、セットプレーからCB二人で点を取ったブラジル。2-0。

動きは良くなってきたのに、追加点を奪われたコロンビア、痛い。
しかし、諦めるような点差ではない。
J・ロドリゲスからの素早いワンツー。J・セーザルが身体で止めてしまいイエロー&PK献上。
これを決められて、2-1。点差は1点!

残り時間は10分。まだまだ分からなくなってきた。

時間を使いたいブラジル。しかし、コロンビアは元気を取り戻してしまった。ブラジルに我慢の時間が続く。
41分、ネイマールが後ろからのしかかられて倒れる。これも時間稼ぎかと思ったが、ダメっぽい。
担架に乗って交代だ。大丈夫かあ?
ロスタイムは5分。

フェリポンも両手を振り回して指示を出す。
スタジアムは早く終わってくれ〜という感じ。

ジリジリと時間が過ぎて、ようやくタイムアップ。顔をくしゃくしゃにして泣くJ・ロドリゲス。
泣くな、今回、最も株を上げたのは君だ。

勝利はしたが、ネイマールのケガの具合とT・シウバの欠場が不安なブラジル。
セミファイナルは、ブラジルvsドイツの伝統国対決に。


 
Best8 (byリオデジャネイロ) 1st
   開催日: 2014年7月5日
フランス 0 0-1 1 ドイツ
0-0
【マッチレポート】
欧州の強国同士の対決。歴史も実力も十分な組み合わせだ。
一説にはドイツはインフルエンザが流行しているとの噂でコンディションが気になる。

注目のフォーメーションだが、ドイツは36歳クローゼをスタメンに。そしてラームが右SBに復帰。
機能はしているが、シュバイニーとケディラをベンチに座らせるほどか?というドイツ国内の声に応えた形。
まあ、DFの補てんという意味もあるんだろうけど。

攻撃の形はドイツがオーソドックスなサイドを利用しての形。フランスは意外性のある展開にチャレンジしてる。
最初に結果が出たのはオーソドックスな攻撃だった。ドイツのFK。フンメルスが走りこむ。ヴァラン、完全に
ジャンプのタイミングをミスった。ジャンプもしないフンメルスが頭で合わせてゴール。前半13分。
早い時点で0-1。

フランスは裏を狙うパスを出していくが、ドイツのDFがしっかりとカバーリング。
ドイツは少しカウンター気味の展開で狙うようになっていく。24分、ゴール前でクローゼが倒される。
微妙だけど、吹いてもおかしくはないシーン。アルゼンチン人の主審は流す。この主審、腕の筋肉すげえ。

速いタイミングで縦パスを入れるフランス。グリーズマンに通ってクロス。これはノイアーが弾くが、ボールは
ベンゼマの前へ。しかし、フンメルスがついていてシュートは外れる。
ベンゼマの動きは悪くないんだけど、DF陣、ノイアーの二重の壁が崩せない。

前半が終了し、後半へ。選手交代はなし。

後半は、少し停滞気味。停滞というのはある意味、ドイツの狙い通りともとれる。
ちょっと無駄な時間が過ぎる。

勝ってるドイツが先に動いた。クローゼに代えてシュールレ。
フランスはDFのサコに代えてコシェル二ー。まるで点差が逆のような交代。
ドイツはシュールレを入れることで攻守の役割分担を明確にしたようだ。
フランスはコンディションの問題。攻撃を変えないことには進まないフランスはDFを下げて攻撃的なレミーを
入れた。これで、少しドイツのDFが乱れた。ベンゼマに渡ったボールだったが、チェックが速い。
ナイスリカバリーだ。

フランスが攻勢になってきた。人数をかけて押し込んでくる。
しかし、そこから運悪く、カウンターの餌食に。左サイドを駆け上がるエジル。
エジルからのクロスは中央フリーのミュラーへ。しかし、半歩届かず。が、それが絶妙のスルー扱いで
シュールレの足元へ。シュートはロリス正面!止められたかーー。
うーーーーん。そこは落ち着いていけよー。

ドイツはゲッツェを投入。残りは5分だ。
フランスもジルーを投入。総力戦である。

ミュラーがサイドをドリブル。フランスDFが足をもつらせ転倒。急にフリーになったミュラーが中へ。
引きつけて、シュールレ。しかし渾身のシュートは相手に当たってしまう。
こぼれ球はボアテングが奪うが、ベンゼマが自陣まで戻って奪い返す。
リーダーらしくなったね。だけど、ベンゼマが戻ってきたら前線はジルーのみ。そこから何かが
生まれることなく、ノイアーが落ち着いて処理。

時間はロスタイム。4分。
ドイツは最後のカードを時間稼ぎに使う。したたかである。
最後のチャンス。ベンゼマが抜け出した。角度は難しいが、フリーだ。
会場は悲鳴と歓声が一気に最高潮に。しかし、シュートはノイアーが右手一本で防ぐ!
ノイアーのナイスセーブ。ドイツのGKはどうしてこうも強大なのか。
これで試合は終了。

ジダンだったら決めてただろうけど、ベンゼマでは、まだ無理か〜。
ドイツの試合巧者ぶりも目についたベスト8最初の試合。フランスは、もう少し成熟したら面白い。


 
Best8 (byサルヴァドール) 1st
   開催日: 2014年7月5日
オランダ   0 0-0 0 コスタリカ  
0-0
 0  ex  0
 0  ex  0
 ○○○○-  4  PK 3 ○×○○× 
【マッチレポート】
今のところ、「どこが優勝してもおかしくない国」がベスト4に残っている。
最後の国が、同じようにオランダになるのか、それとも「優勝したらおかしい国」コスタリカになるのか。

雨のサルヴァドール。コスタリカはロングボールでキャンベルやルイスを狙うのみで、ポゼッションはオランダ。
解説がアホみたいに「オランダは5バックだから守備が固いはず」だって。
俯瞰で見てわかんねえのか、SBがあんなに開いて上がってたら、ほぼ3バックだろ。
もっと言えば評価を高めているとはいえ、オランダのDFの方に着目する?
もともと戦術オタクのファン・ハ―ルのフォーメーションを常人が語る時点で間違ってるんだが。

攻めあぐねて後ろで回し続けるオランダ。メモを取るファン・ハール。その横にクライファート。
クライファートには指導者は無理だと思うんだけど。

ようやくオランダにチャンスが訪れる。DFが奪ってロッベンへ送ると、一気に駆け上がるFW陣。
カイトに渡して、折り返す。V・ペルシーのシュートはナバスが弾く。こぼれた所、再度オランダ。
今度はスナイデルがシュート。これもナバスが押さえる。雨で滑るボールをしっかりとつかみ直す。

前線で張るロッベンにロングボール。コスタリカは2枚がロッベンをがっちりマーク。
キープを試みるがロッベンのファウルが取られ、怒りの収まらないロッベン。スナイデルが落ち着かせる。
例の「ダイブ発言」で審判に疑惑の目を向けられるロッベン。ウズベク、キルギスの審判団がどうさばくか。

もう一度、ロッベン。これはかけられて倒れる。今度はコスタリカにイエロー。ネイマールの件もあり、厳しい
DFにはしっかり吹くようにしたのか。ロッベンにしてみればありがたい話だ。
FKは早く巻いたボールでコスタリカに襲いかかる。しかし、名手ナバスが弾きだす。

完全に頭を引っ込めた亀状態のコスタリカに、困り果てたオランダという形で前半終了。

後半、何か仕込んでくるかと思ったファン・ハ―ルだが、何も修正せず。
暫くは停滞した空気で前半同様にオランダが回し、コスタリカがロングボールという感じ。

コスタリカが仕掛けているとはいえオランダはオフサイドにかかるケースが多い。
引っ込んで、人数を割いているのにオフサイドトラップをかけられるコスタリカは素晴らしい。

残り25分。チャンスは多くなかったが、動きも悪くなかったキャンベルが交代。
コスタリカ、そんなに層あつかったっけ?

オランダは攻めに手数をかけすぎ。時間ばかりが過ぎていく。
セットプレーは数少ないチャンス。スナイデルのFKは高速カーブでポストに。うわあ。
もう一度FK。ロッベンのボールは、跳ね返されてV・ペルシーの足元。これはナバスが防ぐ。

0-0で時間は90分。ロスタイムに波状攻撃を仕掛けるオランダ。
人数を割いてコスタリカのナバスの壁を破るが、今度はDFが戻ってセーブ。バーに当たって跳ね返る。
魂の守備。コスタリカは全員で守る。
ここで試合は延長線に突入。

延長開始早々、オランダのシュートは、またもナバスが弾くが、ここで守護神が足を捻った模様。
ナバス抜きでオランダを押さえ続けるのは無理だ。時間を使って回復。

相変わらず固いコスタリカ。これを崩せないまま延長前半終了。PKは嫌だなあ。

後半、オランダはマルティンスに代えてフンテラールを投入。攻撃的な枚数を増やしてきた。
それでも点が取れないオランダ。
フンテラールがナバスと接触。またもナバスの治療に時間が取られる。
これは手が顔に当たっただけなので時間稼ぎだろう。

オランダのベンチではGKの準備。PK用に最後の一枚を残しておいたのか。

そんなオランダを尻目にルイスがオランダゴールに襲いかかる。ちょっとステップを踏み過ぎて人数掛けられ
残念ながら失敗。
最後の攻防が繰り広げられ、延長後半もロスタイム。
オランダはGKシレッセンをクルルにチェンジ。果たしてこれでナバスを破れるか。

ここでPKに突入。もう、どうなるかは分からなくなった。

先行はコスタリカ。読まれていたが、ゴール。まずはコスタリカ成功。
オランダはペルシー。危ないゴロゴロシュート。なんとか決まる。
コスタリカ二本目はエースのルイス。同じようなコースにクルル!止めたー。すげえ。
オランダはロッベン。いい順番だなあ。ゴールに突きさす。
コスタリカ三本目。プレッシャーかかるが、これを決める。
オランダ、スナイデル。ナバスの逆。決まった。うーーーん、さすが!
コスタリカはボラーニョス。読んではいたが、決める。まだ、終わらない。
オランダはカイト。ビッグネームが続く。ゴールの左隅。ナバスでもあそこは取れないよ。
コスタリカ、外した時点でアウトだが・・・・・・・・・止めた――――。ファンハール采配ズバリ!!
一気にクルルがヒーローに。

グッドルーザー、コスタリカ。最後まで大会を面白くさせてくれた。
ここからは強国だらけのデスマッチ。


Best8 (by ブラジリア) 1st
   開催日: 2014年7月5日
アルゼンチン 1 1-0 0  ベルギー
0-0
【マッチレポート】
準決勝にコマを進めたにも関わらず、ブラジルは悲しみに暮れている。メッシと決勝で戦い、最高の選手の名を
奪うはずのネイマールが今大会絶望となってしまったからだ。
仮に、メッシに同じようなタックルが起きれば、ワールドカップは、人々の憧れの舞台ではなくなってしまう。
メッシと手を繋ぐエスコートキッズは、いつだってアイドルに会う時の眼をしている。
前日に、ネイマールのケガがあったことで、ベルギーは不必要なハードタックルは自重するだろう。
その点でメッシは幸運なのかも知れない。

開始早々、ベルギーもう一人のボンバーヘッド、ウィツェルとマスチェラーノがやり合う。コラコラ、そーいうのだめ。

これまでと打って変わってアルゼンチンの中盤ディフェンスが良くなってる。
おかげで、比較的、楽に回せるようになってきた。メッシが中央でフェライニのタックルをマルセイユルーレット風の
ピボットターンでかわす。ディ・マリアに渡って、流れたボールはベルギーラインの壁に当たって、イグアインの元へ。
クルトワの位置を見極めて、ダイレクトにはなったシュートはゴールへ。
コンパニ、クルトワ、全く動けず。早い時間でスコアが動いてアルゼンチンがリード。スタジアムは大熱狂。

ベルギーはデブルイネの働きでチャンスを演出。スタメン抜擢のオリジも、ようやくエンジンがかかってきた。

メッシは今日も好調。絶妙のスルーパスがディマリアの走る先へ。早いタイミングのシュートだが、惜しくもコンパニの
カットにあう。コンパニの方も、今日も抜群の安定感。
ディマリア、特に接触もないのに倒れこんで「ざわっ」となる。一旦、戻ったものの、やっぱりダメ。ディ・マリア抜けると
攻撃のアクセントが・・・・・アグエロもケガしてるし、ラベッシといイグアインでメッシを支えきれるか。
メチャクチャ層の厚かった攻撃陣が、どんどん減っていく。

前半38分。ベルギーのペナルティエリア前でメッシがドリブル。DF4人が囲んで足を出すが、ボールではなくメッシの
足にペシペシ当たるだけ。足の短いメッシは身体を巧みに使う。結局倒されFK。上手いなあ。
絶好の位置のFKはわずかに浮いて失敗。けど、今大会は、ホントにらしさが出てる。

前半はアルゼンチンペースで終了した。

後半もペースはアルゼンチン。頼みのコンパニまでもミスを犯し、イグアインに突破を許す。シュートはバーを叩いたが
決定的なピンチを招いてしまった。
ベルギーの問題は守備ではなく攻撃だ。アルゼンチンのキープ時間が長い為に、ピンチに陥っている。
選手交代。調子の良さを買ってスタメンに入れたオリジとミララスはルカクとメルテンスに戻された。

この交代でフェライニが、より前線に出れるようになった。
ベルギーもチャンスを演出し始めるが、今日のアルゼンチンの最終ラインは、前回までの雑さがない。
オフサイドラインの上げ下げがかなり正確。イタリア人の細かい線審というのも影響してるかも。
それでも、強国はしり上がりに調子を上げてくるものか。

アルゼンチンは、ラベッシに代えてパラシオ、イグアインに代えてガゴ。
時間を使って、さらにフレッシュな勢いを保つ。
ベルギーは困った時はフェライニのポストに頼ろうとするのがいただけない。

後半のロスタイムは5分。最後の力を振り絞り、人数をかけて強引に押し込むベルギー。
しかし、カウンターに遭ってしまう。先頭を走るのはメッシ。
息の根を止めるかのうようなシュートだが、クルトワがストップ。
ボールがサイドに出るが、ヴィルモッツ監督が即座にスロワーにボールを渡す。おお、腹は出たが、現役並みの動きだ。
まだ、ベルギーは死んでいない。ラストチャンスにルカク。一瞬、マークが外れるがシュートは不発。
だめか。ここまで守備が固ければ、もう崩せない。

苦しい戦いだったが、アルゼンチンが勝利を手にした。









  【ベスト8総括】
4強に残ったのはあまりにも納得のチームばかり。
オランダが勝てば、悲願のW杯制覇だし、他の3カ国が勝てば、久々の優勝だ。
残念なのがネイマールの骨折。ネットでは「あれは酷い」とか「最低」とか言われてるけど、倒された瞬間は骨折に至る
ほどの大けがになるなんて想像もできなかった。たしかに膝は入ってるんだけど、「骨折させたプレー」っていう触れ込みで
あのプレーだけ見るのはスニガにとっては可哀そうだけど。まあ、それだけネイマールを追いやった罪は大きい。
コロンビアにはエスコバルの例があるだけに、まさかの事態もあり得る。
ただ、開催国を含め、これだけ贅沢な4強がキチンと残るW杯も珍しい。大体はダークホースが一つくらい入ってるもんだ。
最終的に南米と欧州が綺麗に半々残ったのも美しい。
いずれにしても最後で安定感を取り戻した混乱のブラジルW杯。攻守の要を失ったドイツ戦で主役の国は輝けるか。

 
Best4 (byベロオリゾンテ) 1st
   開催日: 2014年7月8日
ブラジル 1 0-5 7 ドイツ
1-2
【マッチレポート】
12年ぶりのブラジルvsドイツ。
ブラジルはネイマールのユニホームを掲げて国歌斉唱。当然、気合いが入ってる。ブラジルにしてみれば、今大会
最大のピンチを迎えた大一番だ。

ドイツはフランス戦と同じようにラームをSBに戻してクローゼをトップに据えたスタメン。
ブラジルはベルナルジを置いて、CBにはバイエルンでドイツのメンバーを良く知るダンテ。

ブラジルはある程度のリスクを承知で攻勢に出ている感じ。序盤は押し込んでいる。
しかし、ドイツは前半12分のCK。いきなりミュラーが先制弾。慣れないCBコンビの弊害か、マークがいなかった。
緊張感に溢れるセミファイナルで、あっさりとゴールを陥れるドイツ。憎らしいほど冷静だ。
リネカーの「フットボールとは、最後にドイツの勝つスポーツだ」の言葉が思い出される。
0-1。

負ける理由は山ほど揃ってるブラジルだが、本当に負けたらシャレにならなすぎる。
ネイマールの欠場、Tシウバの欠場。ここまであっさりと崩れるものか。

16分、マルセロがエリア内で倒される。ラームのDFは・・・うん、ボールにいってる。さすが。マルセロがキレるが
スアレス噛みつき事件を見逃した主審がなだめる。

ドイツ、右からのクロス。中盤でカットをミス。そのままミュラーに渡され、早いリターンはクローゼへ。
シュートはJセーザルに止められるも、跳ね返りを再び蹴りこんで追加点。0-2。
クローゼは、これでW杯の得点記録を更新。歴史上、W杯で最も多くのゴールを決めた男になった。

24分。エジルから右サイドのラームへ。グラウンダ―のクロスにミュラーがスルーなのか空ぶったのか。
うまーくトニ・クロースの足元に落ち着いてシュート。これが決まって、まさかの3点目。
ブラジルに悲鳴が響く。もう逆転は難しいかもしれない。

26分。ブラジルのバックラインが落ち着かせようとパスを回した所、不用意なパスをフェルナンジーニョ奪われる。
あっさりとクロースが決めて4点目。わずか数分でのとどめの一撃とも言えるゴールに、悲鳴も出なくなった。
早くもスタジアムのサポーターは泣きだす始末。気持ちの整理をする時間すらなかった。王国の崩壊が始まった。

29分。ブラジルのDFラインは、もうどうしようもないほど混乱している。
あっという間にドイツ勢に押し込まれ、パニックに。
エジルは自分で打っても入るシーンで、中央のケディラに戻す。ケディラが蹴りこんで5点目。
もう公開処刑に近い。スタンドで見るTシウバは茫然自失の表情。
ドイツ戦は困難だとは思っていたが、試合開始30分で0-5のスコアになるなんて、誰が予想しただろう。

ドイツはブラジルをリスペクトしている。それゆえの5点差。手を抜いて勝てる相手ではない。
もはや12年前のリベンジなどではない。DFは組織的に守り、攻撃は中・外・中とセオリー通り。
ブラジルの守備は、戻りは遅いくせに、とにかく人数を集める無様な画。
もっと酷いのは攻撃陣で、フレッジの気持ちのない奪われ方にブラジルサポーターからブーイング。
もう勝利なんて贅沢は言わない。これ以上、ブラジルを貶めないでくれ。早く笛を鳴らしてくれ。

前半が終わって0-5。準決勝ではこのスコア差は例を見ないのでは。

後半、ミスの目立ったフェルナンジーニョがパウリーニョと交代。フッキとラミレスもチェンジ。
ドイツは決勝のオプション用かフンメルスからメルテザッカーへ変更。
クローゼに代えてシュールレも投入した。

後半5分。しばらく攻めの形が続いたブラジル。良い形で回してフレッジ。中央のオスカールに戻せば・・・のパス。
ノイアーがカット。
さらに、中央の狭い所でエリアに侵入したラミレス。これもノイアーが防ぐ。
さらに、さらに、これはオフサイドだろ、というパスが見逃され、パウリーニョと1対1。
最初のシュートは防がれるが、こぼれ球に、さらにパウリーニョ。これまた防がれる。
・・・どうやって、こんなGKのいるドイツに勝てというんだ。

ドイツは意図的か修正の弊害か守勢に回っていたが、カウンターは効いている。
攻撃の要と化した右サイドのラームから中央へ早いクロス。これがどうしても止められないブラジルDF。
またも中央へ通されシュールレへ。若干ミュラーと被るが、落ち着いて流し込む。
6点目。ドイツは効率よく得点をゲット。0-6。

ブラジルはボールを持つたびにホームスタンドからブーイングが出るようになってしまったフレッジを下げて
本調子ではないウィリアンを投入。
どうしてこうなってしまったのか。

後半30分。ケディラに代えて、初出場のドラクスラー。ブラジルには屈辱でしかない。
ミュラーが若干、足の裏っぽいカットをみせたため、フラストレーションの溜まったDルイスが、わざとらしい
空ぶりで威嚇。ドイツはケガが怖いなあ。まあ、ブラジルはネイマールの件もあるし、やらないだろうけど。

ドイツは左サイド、縦へのロングパスに追いつき、中央へ。うまくトラップしたシュールレ。難しい角度だったが
振り抜かれたシュートはゴールバーを叩きながらラインの中へ。
もう、ブラジルサポーターからも拍手。0-7。サウジアラビアが相手ではない。ブラジルとドイツの試合である。

ブラジルは攻めたらいいのか、守ったらいいのか、もう分からない。攻めはするものの枠にも飛ばないシュート。
ドイツのカウンターに、なんとか8点目を凌いだブラジル。こちらもロングボールでオスカールに渡る。
ドリブルで慎重に流れてのシュート。ようやくノイアーから得点を奪う。
最後の最後でブラジルが遅すぎるゴール。

しかし、ロスタイムはほとんど取らずに終了。

地べたに這いつくばって神に祈るブラジル選手。開催国の最後としては、あまりにも酷い終わり方だった。


 
Best4 (byサンパウロ) 1st
   開催日: 2014年7月9日
オランダ   0 0-0 0 アルゼンチン  
0-0
 0  ex  0
 0  ex  0
×○×○―  2  PK  4 ○○○○― 
【マッチレポート】
ドイツへの挑戦権を欠けた戦い。
アルゼンチンは、やはりアグエロ、ディマリアの復帰が難しく、ぺレスが出場。ヒョロ毛のパラシオはベンチスタート。
試合前にアルゼンチン、レアルマドリーの伝説の名選手ディステファノが亡くなったということで、黙とうを捧げた。

オランダはベストメンバー。開始直後は慎重な様子だったが、プレスを開始。カイトが前線から追いかけまわして
ボールを奪う。アルゼンチンはスペースを埋める守り方。プレスでロッベンにブチ抜かれたりでもしたら、失点もの
だから、迂闊には取りにいかない。

ピッチは雨?霧雨か?雨粒は大きくないようだが、ベンチも客席もかなり濡れてはいる。

オランダの自陣ゴール裏は、少しずれた位置にポコッとオレンジのクルバができている。コンサート用のテープか
なんかオレンジ色のやつがまき散らされて、ちょっときたないww

13分、良い動きをみせているぺレスがドリブルで持ち込んでエリア外で倒され、絶妙の位置でFK獲得。
なるほど、パラシオよりも得点力は低いが、ゲームメイクには長けている印象。
メッシが蹴ったFKは高速で壁を抜けていったが、その隙間はシレッセンが開けておいた隙間。
ガッチリ、正面でキャッチされた。

序盤こそプレスが効いていたオランダのDFだが、アルゼンチンがドリブルでキープ、かわすことができるため、
プレスが効力を発揮せず、アルゼンチンのキープが多くなってきた。ちょっと意外。
アルゼンチンはラベッシ、ぺレスが両サイドを駆け回り、イグアイン、メッシがリターンパスでかき回す。

調子の良かったアルゼンチンだが、25分、競り合った中央のマスチェラーノが、頭ごっつんこ。フラ〜っと倒れた。
脳震とうのようだ。頭はちょっと怖い。ちょっと中断。
どうやら、大丈夫みたいで戦線復帰。最初の数試合はダメだったけど、前回からは調子戻してたからね。

オランダはロッベンが持つと二人で挟みこんでカバー。そうなるとスナイデルからV・ペルシーを狙うパスだが
ハイボールが多く、ロメロがケアして、脅威にはなっていない。

前半38分。接触でスナイデルが負傷したようで、右のふくらはぎにコールドスプレー。スナイデルが抜けると
オランダは厳しい。すぐに戻ってきたので大丈夫なようだ。

スコアレスで後半。ちょっとだけ雨が強くなったか?レインコート着てる人が出てきた。

やはりファンハールは修正のカードを切ってきたが、マルティンスを下げるという分かりにくいもの。
それ以上に、他の選手に動きの変更指示を与えたのかもしれない。

アルゼンチンDF、ガライがボールをクリアするシーン。右手にスパイク・・・スパイク?
どうやら紐を結び直してる所にボールが来たようだ。サンパウロのピッチは美しく、まあスパイク脱いでも問題なし。

縦パスから一瞬でのスキを伺うオランダだが、状況が打開されたとは言い難い。
アルゼンチンも、突破を図るが、最終ラインが整備されているオランダは突破を許さないという均衡状態。
ブラジル-ドイツ戦とは全く異なる展開だ。

ルーズボールに滑り込む、アルゼンチンのビグリア。やや遅れる形で、そこに滑り込むオランダ。
接触で痛む結果になったビグリア。ぶつかり方から交代必至かと思われたが大丈夫な模様。

オランダは、サイドでイグアインに突破を許しそうな場面。身体を投げ出してDF。ファウルだけどイエローではない。
なるほど、上手いやり方だ。

どちらも攻撃に人数を割いて攻勢にでるよりも、少ない人数で突破を図る戦術なので、決定的なシーンが
作られる前に、攻撃の芽が摘まれてしまう。あまりゴールの予感がない試合になったなあ。

そんな後半29分。カウンターからサイドを突破するアルゼンチン。中央のイグアイアンへ。守備は手薄だ。
ボールはサイドネット!惜しい〜。ようやく、ゴールの予感のするプレーが出た。そろそろスコア動くかな〜。

時間は残り10分。うーーん。延長かあ?会社あるんで、あんまり延長は好きじゃない。
アルゼンチンベンチが映し出される。
おおお!?アップを始めてるのは、パラシオと・・・・アグエロか!!

そして、良い動きを見せていたぺレスとパラシオが交代。準備してるけどアグエロは?
交代のオフィシャルがモタモタ(怒)イグアインと代わってアグエロ。攻撃のカードを2枚、同時に代えてきた。
これが吉と出るか凶と出るか。

アグエロは守備でも走り回ってケガの影響を感じさせない。
ただ、攻撃の方は、うまくオランダがさばいてスキを与えない。
逆にオランダは45分。突如、ギアを上げたロッベンがエリア内に侵入。青ざめるアルゼンチンだったが、
マスチェラーノが滑り込んで切り抜けた。

ここで90分が終了。延長戦へ。
ここで、こっちもシャワーに。マジで朝は時間ないんでやめてほしい。

超高速でシャワー浴びてきました。
ちょうど延長始まる所か。

延長前半5分。V・ペルシーを代えてフンテラール。これでオランダは交代枠を使い切った。ということは
PKでのクルル投入はないってことだな。

ロッベン、エリア内で3人に囲まれるが、それでも3人を抜いてきた。化物か。抜けた後に角度は無くチャンスには
ならなかったが、やっぱりコイツはぶっ飛んでる。
雨は弱まったが、ピッチはまだスリッピー。ミドルを放つロッベン。ちょっと正面過ぎてキャッチされる。

ここでアルゼンチン、これも良い動きだったラベッシに代えてM・ロドリゲス。
アルゼンチンもカードを使い切った。

裏へぬけようとするロッベン。ボールホルダーではないが、一瞬、腕を取られる。
ファウルを要求するロッベンだが、ノーファウル、これにはスナイデルもキレる。
カウンターにフンテラールが後ろからいってイエロー。オランダ勢、この間に審判に詰め寄る。
トルコ人の主審は落ち着いてなだめる。慣れてるなあ。

アルゼンチン、右サイドから、中央はフリーだが、クロスが逸れてチャンスを逃す。
ここで延長前半が終了。

サべーラからの簡単な指示が終わり、円陣を組んで声を張り上げるマスチェラーノ。気合いのアルゼンチン。
コーチも総出で綿密に指示を伝えるファンハール。気持ちと戦術のぶつかり合いか。

延長後半開始、最初のプレーでカイトの肩がサバレタの顔に入り、出血している模様。交代枠は無い。
治療で時間が過ぎていく。サバレタが立ち上がり、口の中の出血を止めるため脱脂綿を頬張る。
すげえ気迫だ。

時間が少ない中、アルゼンチンの中央突破、フライスルーに抜けだしたパラシオ。
オランダGKシレッセンとの距離は微妙。選択は・・・ヘッド。これはシレッセンがキャッチ。
右サイドからメッシ。クロスにフリーのMロドリゲス。ダイレクトボレーは当たり損ねで、これもキャッチされる。

オランダ、じっくり時間を使って攻めるがアルゼンチンの壁は崩せず。
サバレタの治療に使われたロスタイムも、ほとんど無くPK突入。

オランダGKシレッセンにとっては、初のPKだ。

先行はオランダ。フラール。ロメロが止めた!!
アルゼンチンはメッシ。落ち着いて決めた。
オランダはロッベン。右隅に早いボールが刺さる。決まった。
アルゼンチンはガライ。少し浮いたが、真ん中に思い切り打った。決まる。
オランダはスナイデル。左。早いシュートだが、止めたーーー。ロメロの読み勝ち!
アルゼンチンはアグエロ。余っまれていたが、シレッセンの手をすり抜けてゴール。
カイトが外せば終わりだが、ここは落ち着いて流し込む。
アルゼンチン、Mロドリゲス。シレッセンの両手に当たったボールは勢いを残し、ゴールへ。

アルゼンチンが24年ぶりに決勝進出。
そして86年、90年に続くドイツとの決勝戦。
運命の相手だ。

破れたロッベンはスタンドへ。奥さんと子供だろうか。子供は泣いちゃって顔を見れない。
寂しげにそこに声をかけて去るロッベン。どうしても勝てないオランダ。
だが、今大会のオランダも、やっぱり強かった。










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